女性ホルモンバランスプランナー®の石井 理夏(いしい あやか)がお客様の心や体の変化についての質問にお答えします。
デスクワークがメインの仕事をしている34歳です。
私は生理中になるとすごく眠たくなってしまうことに悩んでいます。頭がぼーっとして、とにかく眠くて…瞬きをした瞬間にも寝てしまいそうなくらい異常な眠気があります。
生理中は仕事中も仮眠をしないと一日過ごせないんです。

寝るつもりはなくても、意識が飛んだように寝てしまうという経験、私もあります。
生理中の眠さに悩んでいる女性はとっても多いんですよ。
女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンがありますが、そのうちのプロゲステロンの働きが生理中に眠くなってしまう原因だといわれています。

プロゲステロンはどんな働き方をするのですか。

プロゲステロンは、体温を上げる作用があります。排卵前の体温は1日の中で変動をしますが、プロゲステロンが多く分泌される「黄体期」と呼ばれる、排卵後から月経開始までの二週間くらいの期間は、基礎体温が上昇して1日の中で基礎体温に変化がほとんど見られません。
そのため体温が高めの状態が続き睡眠と覚醒のメリハリも小さくなり、日中ボーっとしたり、眠たくなったりすると考えられています。

体温が高くなるから眠くなってしまうんですね。

ほかにも、排卵後急激に増えたプロゲステロンが分解されて、催眠効果のあるアロプレグナノロンという物質が発生することで、眠気をもたらすと考えられています。

生理中は昼間でも睡眠薬を飲んでしまったのではないかと思うほど眠気を感じるときがあるのですが、こういうことが原因だったのですね。改善する方法はあるのでしょうか。

生理が始まると、プロゲステロンの分泌量は減るので、生理が終わるころには眠気は解消されるはずですが生理中も眠気の強い状態が続くという方もいらっしゃいます。
生理前、生理中に眠気が収まらず、日常生活に支障があるという場合はなんとしても改善したい ですね。いくつか改善の方法をお伝えしますね。

睡眠環境を整える
まずはよく眠れるように睡眠環境を整えましょう。
規則正しい生活をするだけでも変わってきます。部屋の電気を間接照明にすることもおすすめです。ヒーリング音楽をかけて心と体をリラックスさせ熟睡できる環境を作りましょう。
基礎体温と記録する
自分のPMSの症状がいつごろから始まるのかを把握すると、PMSの期間から生理の終わりまでをどう過ごすのが一番いいのかがわかってくると思います。
そのためには、毎朝基礎体温をつけることです。体温が変わってくる時期を把握して日々の生活の仕方を整えていきましょう。
気分転換をする
生理中は激しい運動はおすすめしませんが、きつくなければ軽いウォーキングや、気分の変わるお出かけをしてみることもおすすめです。気分が変わると眠気が収まることがあります。
ピルや漢方、サプリメントを利用する
ピルは排卵を止めてホルモンの変化を少なくするので、生理中の強い眠気が少なくなる可能性があります。
また、漢方は体全体のバランスを修正しながら自然治癒力を高めていくので、時間は少々かかりますが、体質自体が改善されて睡眠の改善につながることが期待できます。
婦人科系のお悩みに古くから使われてきた西洋ハーブのチェストベリー配合のサプリメントもおすすめです。
ぜひご自身の体に合うものを選んでみてくださいね。
生理中の眠さは、多くの女性が持つ悩みです。
自分の症状を理解して、向き合うことで改善につながることもあります。眠さはずっと続くものではないので、今自分の体に起こっていることを理解し、いたわってあげましょう。
生理中も自分らしく過ごせるように、自分の心と体に寄り添っていけるといいですね。
